【知っておいたほうが良い知識その3】品質保証初心者-7

品質保証初心者

「品質保証」の業務を携わるにあたり、知っておいたほうが良い知識の一例をまとめてみました。

FMEAとは?

Failure Mode and Effects Analysis:故障モード影響解析のこと。
それぞれの頭文字を取ってFMEAとなります。
JISでは、このように定義されています。

「下位アイテムに生じ得る故障モード及びフォールト(故障状態)の調査,並びに様々な分割単位に及ぼすそれらの影響を含む定性的な解析方法。」

JIS Z 8115:2019 抜粋

難しく記載されていますが、簡単に言うと『未然防止のために有効な手法』になります。
つまり、製品出荷後に故障・不良が発生してからの事後対策法ではなく、製品製作前に故障・不良発生の未然防止に取組む手法になります。
FMEAの簡易的フローとしては『問題推定→重要箇所の選定→解決法提案』の流れになります。

FMEAの各プロセス

各プロセスでのFMEAの考え方は以下のようになります。
■設計FMEA
構造・機能上の潜在的な問題点に着目し、それらの防止策を検討する。
生産開始後の設計変更は工程トラブルや納期遅延に繋がるため、設計段階での抜本的な対策による設計変更が重要である。
■工程FMEA
工程不具合を摘出し、不具合防止を実施することで工程歩留まりの上昇と市場クレームの減少に繋げる。

FMEAの流れ

1. 問題推定(問題発見のプロセス)
製品設計工程設計などの設計に起因する課題を機能や作動状態に着目して検討し、故障モードや不良モードの概念を明らかにします。
2. 重要箇所の選定(判断のプロセス)
各故障モードに対して発生頻度、影響度、検出難易度など事前に決めた評価項目について、総合的に評価を行い、優先的に対策すべき故障モードを決定する。
3. 解決法提案(問題解決のプロセス)
2.項で決定した優先的に対策すべき故障モードに対して、具体的な対策・解決案(部品・構造の変更等)を提示する。
なお、評価結果によっては費用・手間・時間を加味した上で、各故障モードに対応する必要があります。

まとめ

「品質保証」の業務を携わるにあたり、知っておいたほうが良い知識の一例をご紹介しました。
FMEAは問題推定段階にて、抜け目なく故障モードの洗出しを行うことが重要となり手間がかかる方法になります。
しかし、効果としては出荷後の故障・不良の発生低下に大きく繋がり、結果的に事後対策の対応(時間、コスト等)を抑えることが可能となります。
【考え方】品質保証初心者-2【やりがい?】品質保証初心者-4にも記載しましたが『予防保全』の考え方が重要になります。
基本的な内容なので頭に入れて、必要なときは活用してみましょう。

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