「品質保証」の業務を携わるにあたり、知っておいたほうが良い知識の一例を
まとめてみました。
バスタブ曲線
製品の故障具合を故障率と時間軸で表したものです。
その形状がバスタブ(浴槽)の形に似ていることからこのような名称になっています。
「初期故障」、「偶発故障」、「寿命故障」の3つの構成になっています。
多数の部品を使用した製品の故障率と時間の関係は、概ねこのような曲線を描きます。
■初期故障:製品が出荷され、市場使用された初期段階では故障率が高い傾向にあります。これらは、設計不良、製造不良が原因とされる。
■偶発故障:初期故障期が過ぎると故障率が落ち着き安定期に入るが様々な要因での不良が発生する。
■寿命故障:偶発故障が過ぎると製品や部品の劣化により徐々に故障率の増加が始まる。
偶発故障期の終盤もしくは、寿命故障期の序盤で有寿命部品に対して適切なメンテナンス・保全を行うことで、寿命故障期の故障発生時期を先に延ばすことが可能となります。
一方で、寿命故障期に入ったら製品の新規更新を始めないと故障の発生が頻発する可能性があります。
FTA(Fail Tree Analysis:故障の木解析)
製品の故障事象からその発生をさかのぼり下位レベルに展開して、発生経路・発生原因・発生確立を解析する手法になります。
未然防止と再発防止の両方で活用が可能です。
■未然防止方法:基本構想や詳細設計の段階に予想される不具合について、その発生のメカニズムを検討して事前に対策を実施することによりその不具合を未然に防止する。
また、設計試作品や実験品による検証段階で発生した不具合に対して故障解析を行い、未然防止につなげることもある。
■再発防止方法:市場で発生した不具合や事故について、その発生メカニズムを追求し考えられる要因から実際に起きている原因を絞り込む。
上記の図から、発生確立の高いものから優先的に対策を施すと、効率的に故障事象の発生確立を抑えることが可能となります。
未然防止方法では、上記の図が予想される不具合の数だけあるので、多くの原因が想定されますが優先的で効果的な対策の実施が重要となります。
まとめ
「品質保証」の業務を携わるにあたり、知っておいたほうが良い知識の一例をご紹介しました。
基本的な内容なので頭に入れて、いざというときは活用してみましょう。
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