「品質保証」の仕事内容の1つである社外的対応(不具合対応)時の
不具合報告書の内容に悩む人も多いのではないのでしょうか?
「原因」、「対策」が重要
不具合発生に対し論理的思考
10年以上に渡って不具合報告書作成に携わってきた私が
報告書の流れに沿って各項目に対して簡易的な文章とポイントをまとめてみました。
(不具合品が手元に戻っていることを前提にした内容になります)
1.0 表題
●●不具合について(●●は発生した不具合名を記載)
2.0 不具合品情報
製品名、製造年、製造ロット等の情報を記載
3.0 ●●不具合確認
現品確認の結果、●●不具合であることを確認しました。
→確認時にどういう条件で確認したかを記載すると良い。
その現象は、客先やユーザー情報と同じ現象が確認されているか?
4.0 現品調査(××は破損部品を記載)
現品調査の結果、(どういう状態だったから)××が破損(具体的な破損状況)していることを確認しました。
そのため、(どういう状況だったから)●●不具合に至ったものです。
→破損状況を写真・画像で添付すると良い
報告書のファイルサイズが大きくなりすぎないように、写真・画像はサイズ変更して使用する→こちらの記事参照
5.0 不具合発生原因推定 ←重要!
5.1 設計的要因
(下記の根拠が示せれば)設計的要因はないものと考えられます。
→破損した××は仕様範囲内での使用だったか? →要確認
負荷率・発熱・強度的な問題はなかったか? →要確認
5.2 製造的要因
(下記の根拠が示せれば)製造的要因はないものと考えられます。
→××自体にキズ・変形はないか?周辺にもキズ・変形等の異常はないか? →要確認
部品の保管方法、製造方法、検査方法に問題はなかったか? →要確認
製造時(来歴上)に問題はなかったか? →要確認
5.3 外的要因
(下記の根拠が示せれば)外的要因はないものと考えられます。
→外部からの影響はないか? →要確認
イレギュラーに負荷がかかるようなことはないか? →要確認
5.4 部品要因
(下記記の根拠が示せれば)部品要因はないものと考えられます。
→××の部品ロット性はないか? →要確認
××を使用している他の製品から●●不具合発生はないか? →要確認
××の使用実績は数量、年数?表で見える化すると良い →要確認
過去の××の不具合件数は? →要確認
5.1~5.4項の上記から■■が発生原因の要因と考えられます。(■■は設計的要因、製造的要因、外部要因、部品要因の該当するものを記載)
また、発生原因から波及性は※※ものと考えます。
→※※には、「有る」か「無い」を記載
発生原因結果から判断
6.0 流出原因
今回、●●不具合が流出した原因は(どうゆう理由から)◆◆になります。(◆◆は流出原因を記載)
→必要であれば「流出原因」を記載
7.0 不具合対策
●●不具合発生に対しては原因推定から■■であるため▲▲することで発生防止に繋がるものと考えます。(▲▲は不具合対策を記載)
理由として(どんなことが考えられるか)になります。
8.0 流出対策
●●不具合流出に対しては原因推定から◆◆することで流出防止に繋がるものと考えます。
理由として(どんなことが考えられるか)になります。
9.0 現品処置
××を交換にて復旧し▲▲の対策も併せて実施しました。
まとめ
これが一連の流れになります。
「5.0 不具合発生原因推定」では、実際に確認することが多々ありますが、
論理的な考え方で確認しましょう。
『発生原因』と『流出原因』の簡単な事例はこちらから→【報告書の書き方-2】品質保証初心者-11
「7.0 不具合対策」では、関係部署に通知して社内で共通認識を持ちましょう。
また、各部署で必要な指示書、手順書に展開して再発防止に務めましょう。
この内容に加えて文章を肉付けできれば、お客様を納得させる報告書に近づけるでしょう。
ただし、報告書を提出しても客先やユーザーから問い合わせが来ることもありますので、
その際は根気強く対応しましょう。
つづく
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